こんにちは。連続ドラマ小説「べっぴんさん」の最終回が近づいてきました。毎回朝ドラ作品は楽しみにしていますが、今回の作品である「べっぴんさん」は違和感を感じ続ける作品でした。
まだ「べっぴんさん」の最終週じゃありませんが・・・
「べっぴんさん」は、主人公のすみれが、戦後に始めた子供服メーカー「キアリス」のサクセスストーリーです。戦後の厳しい時代に女学生時代の親友3人で始めた子供服のお店がいろいろな苦労を乗り越えて大きく成長するお話です。
べっぴんさんは朝ドラの定番ストーリーなんだけど
戦争で多くを失った女性たちが様々な困難を乗り越えて成功していく。。。という朝ドラの定番のストーリー展開なんですが、なんだけど・・・「なんかなぁ、なんかなぁ」と思い悩むすみれが、特段苦労もせずにサクッとアイディアを思いついて、とんとん拍子で店の人気が出て簡単に成功してしまったかのような印象が拭えない。
戦後の子育ての苦労、女手でお店を構える苦労。この辺の女性苦労をどれだけうまく描くかが、朝ドラの醍醐味に思えるのだが・・・
共感できない主人公の人間関係
そもそも、戦後で住まいを失ったと思ったが、さしたる苦労もなく、小さいけど小綺麗な家を構えることに成功しているし、子育ての苦労も、喜代さんが身の回りのことほぼなんでもやってくれて、家事洗濯子育て全般ぜーんぶ喜代さんのおかげで成り立っていて、何の苦労もしていない。
お店を出すのも、靴屋のあさやの隅っこを自由に使わせてもらっていたし、親友3人の旦那も戦争から無事に帰還してるし、子供も大した反抗期もなくすくすく育って、留学もしていることから、この時代に生きる人の中ではかなり順風満帆な人生を送れていて、周りの人に助けられながらやりたいことやってるだけで大した苦労してないじゃん。って思ってしまいます。
苦労人の話が朝ドラとして面白い
苦労したのは主人公のすみれではなく、彼女を周りでサポートしている人たちです。
- 靴屋のあさや
- 坂東家の女中頭の喜代
苦労人の代表格はこの2名ですね。最大の苦労人は喜代さんではないでしょうか。自分の人生全てをすみれの為に費やしています。彼女の献身的なサポートが無かったら、すみれはなにも出来ず、戦後の世を生き抜くことはできなかったんじゃ無いかとすら思えます?
主人公はとんとん拍子で苦労無し
すみれは時々「なんかなぁ」と言いながら自分のやりたいことだけ考えて自由気ままに、なんの苦労もなく成功階段を上り詰めた。と言う感じがしてならなりません。
そして、ドラマの主人公すみれの性格は頑固で基本的に暗いのでドラマ全体が暗い印象につながってしまいます。すみれの苦労話と言うより、暗い性格のすみれの自由奔放の人生を支えてきた喜代さんの苦労話とも思えます。
喜代さんいないと成り立たない何もできない主人公
すみれの子供が成長して、喫茶店ヨーソーローで知り合った妊婦の山本五月をさくらの家出中にしばらく家に住まわせていましたが、その世話も喜代さんがいたからできた事です。
忠さんと喜代さんの冒険に行こう話を聞くまでは、喜代さんの人生のことなんてなにも考えずに、家にいるのが当たり前と考えているすみれと、坂東家の人々の感覚が、世の中とズレている気がしてなりません。
喜代さんを主人公にした方が、ドラマとしては面白かったんじゃないかなって思っちゃうくらい悲しい人生送ってます。すみれが誰よりも苦労してない!!って思ってしまいました。
芳根京子たち若手俳優が老後を演じたことの弊害で、途中で引退すると言い出した時のすみれたちの年齢が、自分にはさっぱりわからなかった。個々の俳優はムチャ振りに対して、がんばっているとは思ったが、「俳優はがんばっている」と思わせてしまう時点で、フィクションとして崩壊している。
けど、何となく見続けてしまう。。。
なんかなぁ。。なんかなぁ。